UE4.20 Preview 1がリリースされてからしばらく経ちました。
4.20でもかなり沢山の追加機能が増えており、検証するだけでも相当時間がかかりそうです。
個人的に去年のGDCで発表以来、かなり昔から気になっていた、ポリゴンモデリング(メッシュエディター)機能が遂に本家の方に実装されるようで、簡単な検証を行ないました。
しかしまだ実験的機能の中でも、かなり特殊な扱いらしく起動方法自体がかなり珍しい方法となっているので注意しましょう。
メッシュエディターを起動する
UE4.20 Preview 1をインストールした時点で"Mesh Editor"プラグインはオンになっていますが、そのままでは使えません。
現状の用意されている起動方法はただひとつで、『コンソールコマンドからコマンドを入力』する必要があります。
コンソールコマンドが打てるところからならどこでもいいので、"MeshEditor.Enable"と入力します。これでメッシュエディターが起動します。
起動すると、モードパネルの一番右側にメッシュエディターが起動されているはずです。
メッシュエディターで出来ること
メッシュエディターを起動すると以下のことが出来るようになります。
・スタティックメッシュを編集可能(スケルタルメッシュは現状非対応)
・サブディビジョンサーフェースをメッシュに追加
・三角ポリゴンを四角ポリゴンに変換
・面編集(移動、ベベル、挿入、押し出し、分割、反転、三角化、テッセレート)
・エッジ編集(移動、シャープ化、エッジ追加、エッジループ挿入、頂点挿入、ポリゴン分割、エッジループ選択、ハード化、ソフト化)
・頂点編集(移動、シャープ化、頂点追加、ポリゴン分割、頂点マージ)
・その他(ポリゴン削除、ポリゴンを維持しつつ、エッジもしくは頂点削除、マテリアルのアサイン)
その他にも細かい機能がありますが、大体このくらいのことができるので、基本的なメッシュ編集機能は揃っている感じです。
特にゲームエンジンの中でサブディビジョンサーフェスと四角ポリゴンが使えるというのはかなり大きな衝撃で、今後映像制作分野などでも大きく関わってくる可能性があります。
もし他のDCCツールで使っているサブディビジョンサーフェスがそのまま持ってこれるようになれば、低ポリゴンのままで曲面の表現が非常にやりやすくなりますし、四角ポリゴンが使えるようになればモデラーはDCCツール上で三角ポリゴンを意識してモデリングする必要もなくなります。
インポート後にマテリアルを面に適用したり…
テッセレートかけてみたり…
もちろんサブディビをかけたまま編集が可能です。三角ポリゴンだと不便なので、一旦四角化(Quadrangulate)を行ないます。
注意点と課題
まだかなり実験的な機能なので、かなり不安定です。Ctrl+Zでもちょくちょく落ちます。特に変な編集の仕方をしているとすぐに落ちるかもしれません。
また、編集はレベル上のアクターインスタンス単位ではなく、コンテンツブラウザーのアセットに対して直接行なわれます。元のメッシュのトポロジーを維持したい場合には、必ずアセット自体を一度複製してから編集しましょう。
現状でもかなり便利なのですが、個人的には面、エッジ、頂点選択がかなり大変な気がします。※なぜかパースペクティブビューでしか選択ができない
私は普段Mayaを使ってモデリングをしたりしていますが、そのレベルをいきなり求めるのはきついかもしれません。
編集をする時は余計なモデルを置いていない、空のレベルを作り、そこで編集することをおすすめします。