Unreal Engine 4.3が昨晩リリースされました。
今回も前回のリリースから約40日ちょっとなので、ほとんど同じ感覚でリリースされています。この調子でいくと来年にはバージョン5になってしまいますが、どうなるんでしょうね。
とりあえずリリース情報は以下です。
今回もハイライト的に変更点を紹介します。
移動式スカイライトとDFAO
ダイナミックシーンに対応できるスカイライトが追加されます。またSSAOとディスタンスフィールドアンビエントオクルージョン(以下DFAO)による新機能による影の影響を受けるようになります。
DFAOはシーン内スタティックメッシュの影響を受けてディスタンスフィールドからAOが計算されるようになります。これでより距離感のある影が生成されるようになります。
スカイライトグローバルイルミネーション
スカイライトでのグローバルイルミネーションが計算されるようになりました。今まで照明があったにも拘わらず暗いシーンでも照明の明るさを反映できるようになります。
ステーショナリーライトによる半透明シャドウイング
半透明の物体にも影がしっかりと焼き付くようになります。具体的な内容は避けますが、半透明エフェクトでも影の影響を受けるようになるようです。
2Dゲームツール機能(プレビュー版)
以前にも紹介しましたが、いよいよ本格的な2Dゲーム用のツールが搭載されます。今まではプラグインをONにしないと使用できませんでしたが、4.3からはデフォルトでONになります。
テンプレートには2D横スクロールゲームも追加されています。一枚の画像を表示するスプライトや複数のアニメーションを実現させるフリップブックなどのコンポーネントが追加されています。
また2Dコリジョン、物理、地形スプライン、アトラスグループ、タイルマップなどの機能が実験的に追加されており、フラグをONにすることによって使用が可能になります。
AIツール ビヘイビアツリー
AIツールのビヘイビアツリーにブラックボード上のエントリーを編集してデバッグする機能が追加。ビヘイビアツリーを有効にするためにはエディター設定からツール機能のフラグをONにする必要があります。
またブループリントのノードを作成するためのショートカットボタンが追加されています。
Oculus Rift用のアップグレード
Oculus DK2用にSDKをアップグレードしてフルモーショントラッキングをサポートするように。またその機能を実感できるように専用に新しいデモが追加されました。
SpeedTreeサポート
草木を手軽で高速に作成できるSpeedTreeが利用できるようになります。無料でも使用できますが、SpeedTreeのサブスクリプションを契約することにより、全ての機能が使用できるようになるようです。
大規模なワールドサポート
今まで以上に巨大なゲームワールドが作成できるようになります。サブレベルを作成して、ワールドコンポジションを有効にするとゲーム内で自動的にロードが行なわれるようになるようです。
ブループリントによるレンダーテクスチャー
新しくレベルブループリントで利用可能なテクスチャーのベイキング機能が追加。カメラ情報から3D世界の写真をとったり、モデルを並べてスプライトアニメーション的にテクスチャーを作りだすことができるようです。
スプラインとスプラインメッシュコンポーネント
スプライン形状を直接作成できるようになります。スプラインメッシュコンポーネントを使えばスタティックメッシュをスプラインカーブ上の変形させることができるようになり、今までとは違った形状のスタティックメッシュが作成できるようになります。
ブループリントの機能を更に強化
再ルーティングノード機能、構造体ピンをMakeとBreakノードを使わずに分割、出力ピンにENUMを展開、データとカーブテーブルのサポート、AnimTrailをブループリントで制御、グローバルなブループリント検索などの機能が追加されています。其々の詳細はリリース情報で確認してみてください。
エディターのスケーラビリティの更新
エディターのパフォーマンスをCPUとGPUの性能を測定することにより自動的に適用するようになります。この機能は手動で設定することもできます。また最小化時にCPU使用率が大幅に削減されるようになりました。
カスタマイズ可能なスタティックメッシュコリジョン
今までは単純な形状しか作成できなかったコリジョンの形状がよりメッシュの形にそった形状のコリジョンを作成することができるようになります。中に空洞のあるコリジョンも生成することが可能になるようです。
他、細かな注目点
- Paper2Dなどのチュートリアルやドキュメントの更新や追加
- ゲームのライブストリーミング機能が追加
- エディターのライブストリーミング機能も追加(作ってるところを配信できる!?)
- BlenderからエクスポートされたFBXをオプションで変換(ただしちゃんと動作しない)
- Androidのサポートをいくつか強化
- iOSゲームをWindows上からデプロイさせる
- Metal APIサポートの追加(Xcode6のベータ版をもっていれば使用可能)
- HTML5でのワークフローなど様々な改善
などなど…相変わらず書ききれない量の変更点、修正点があります。
やはり今回の目玉はPaper2Dのスプライト機能やOculus DK2 SDKへの正式対応、スプラインコンポーネントあたりでしょうか。細かいところをみていくと沢山の変化があるので追ってみると色々わかって楽しいかもしれません。