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UE4.25で追加されるマイナーなプラグインを3つ紹介

ついにPreview 7まで来てしまったUE4.25ですが、そろそろきっとリリースされるだろうと思い、今回は4.25で追加されるメジャーな機能ではなく微妙にマイナーそうなプラグインを3つ紹介したいと思います。

今回紹介するのは、"Blueprint File Utilities"、"Data Charts"、"Volumetrics"という3つのプラグインです。

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これらのプラグインを個別のオンにしておきます。※上記画像の3つのプラグインは同じ位置に並んでいるわけではないので注意

では中身を見てみましょう。

Blueprint File Utilities

まずは"Blueprint File Utilities"をみてみましょう。このプラグインは名前の通りブループリントにファイル操作可能なユーティリティーを追加するためのプラグインです。追加されるブループリント関数は以下の通りです。

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1つ1つ軽く紹介していきますと…

Copy File → 指定ファイルを指定した場所へコピー
Move File → 指定ファイルを指定した場所へ移動
File Exists → 指定ファイルが存在するか調べる
Find Files → 指定フォルダーに指定した拡張子のファイル名を全て調べる
Delete File → 指定ファイルを削除する
Make Directory → 指定した場所にフォルダーを作成
Directory Exists → 指定したフォルダーが存在するか調べる
Delete Directory → 指定したフォルダーを削除する
Find Recursive → 指定したフォルダー以下を再帰的にファイルを検索し、見つけたパスを全て返す
Get User Directory → ユーザーが使用するシステムフォルダーを取得する(Windowsだとマイドキュメント)

基本的にこれまではファイルを操作するためにはC++を使う必要がありましたが、これでブループリントからでもファイル操作を行うことができました。これはツールを作る上では非常に便利で、自動インポートシステムを作ったり、ファイル整理システムを作ったりする際にはとても役立ちます。現在はEditor Utility Widgetなどを使ったブループリントオンリーなツールも多く出てきたので、それらで利用する際には強力なツールとなるはずです。

Data Charts

次は"Data Charts"です。このプラグインはデータテーブルを利用し、指定した列の値を使ってビジュアルグラフを作成します。

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おそらくゲームではあまり利用する機会がなさそうですが、データ可視化やUE4内部で作ったデータの情報をグラフ化して表示したい際には便利かもしれません。

Data Chartsには3種類あり、それぞれ"Bar Chart"、"Line Chart"、"Pie Chart"と呼びます。"Bar Chart"はわかりやすい、最も標準的な棒グラフとなっています。"Line Chart"は線グラフとなり、ジグザグ上に伸びるグラフが表示されます。"Pie Chart"は円グラフとなり、円形状に収まるようなグラフが作成されます。

データテーブルを作成する際には、"FChart_Sample"というFloatの値を1つだけをもつ構造体に合わせた形でデータテーブルを作成する必要があります。標準で用意されているDT_Sampleというデータテーブルを覗くと以下のようなデータになっています。

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極端に便利というものではないですが、データ可視化したものをランタイム中に表示させたいという際に使ってみるとよさそうです。

Volumetrics

最後は"Volumetrics"というプラグインです。名前の通り、ボリューメトリック系の様々なコンテンツが内包されたプラグインで、C++コードはほぼ入っていない特殊なプラグインとなっています。一部HLSLのシェーダーコードも内包しています。

しかし、プラグインコンテンツとしては非常に豊富な内容となっており、レンダーターゲットやレイマーチングを利用したプロシージャルな雲、Fluidシミュレーションによる流体や爆煙のレンダリングなど、全てブループリントとマテリアルとナイアガラエフェクトを駆使した多彩なサンプルとなっています。

これらのコンテンツは、エンジンコンテンツかつプラグインコンテンツなので、コンテンツブラウザの右下の表示オプションを以下のようにチェックをつけると内容を見ることができるようになります。

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具体的にどのようなコンテンツが入っているかはツイートの動画がありますのでこちら参考にしてください!

内容はかなり複雑なものとなっていますが、現状用意されているサンプルとしてはかなり高度なものとなっているので、技術検証をしたいという方にはピッタリです。よければぜひ触ってみてください。

4.25のリリースまで

ここまでおそらく4.25で追加されるであろうマイナーな機能を紹介してきました、UE4.25の正式リリースももうすぐだと思うので、それから更に色々触ってみてわかったことがあれば記事にしたいと思います!