少し前となりますが、UE4.8の正式版がリリースされています。
リリースノートの日本語訳も近いうちにでると思いますので、個人的に気になる部分をピックアップしていきたいと思います。なお量が多すぎるため自分も全てを把握しきれていない事をあらかじめご了承ください。
SteamVR/HTC Vive&Morpheusの120Hzリプロジェクション対応
いきなりですが、一般の方には関係のない部分です。とりあえずSteamVRことHTC ViveというValve社が発売するVRデバイスに対応しています。
そしてPS4のVRデバイスMorpheusが120Hzでのリプロジェクションに対応し、内部的に60FPSで作ったものを自動的に120FPSへと変換してくれる超技術です。今開催中であるE3にいけば実際に体験できるものもあるかもしれません。
プロシージャル フォリッジ ジェネレーター(実験的機能)
少し前に解説しましたが、プロシージャルにメッシュが配置できる機能です。フォリッジ(葉)と書かれていますが、実際には何にでも適用可能です。岩や破片などを設置するのにも便利でしょう。オープンワールドのようなゲームでは必須になると思います。
UE4 プロシージャルフォリッジを使って草木を自動で配置してみる - Let's Enjoy Unreal Engine
ダイナミック ナビゲーション システム
オープンワールド用の動的なナビゲーションシステムが追加されました。以前大きなマップでナビゲーションメッシュを設定したことがあるのですが、ナビゲーションビルドにとんでもなく時間がかかってしまっていたので、これはとても助かります。
クイックウィンドウ切り替え(Ctrl+Tab)
WebブラウザーとかVisual Studioとか使っているとできるタブやウィンドウの切り替えです。ずっと前からなんでないのかな~と思っていたら実装されました。やはり重要ですね。
新しいアンリアル サンプル キャラクター
UE4リリース以来親しまれてきたブルーマンさんがリストラされてグレーマンさんが雇われました。というのは冗談としてなぜキャラが代わったのかとても気になるところです。
さらに頂点数などが削減されて軽量化されているモバイルバージョンも同時に配信されています。
モバイル用のグレーマンはマーケットプレースから無料で入手できます。#UE4Study pic.twitter.com/smHbYbB85z
— alwei (@aizen76) 2015, 6月 13
視覚的にアセットサイズがわかるアセットサイズマッパー
コンテンツブラウザーからアセットを選択して、Size Mapという項目を選択すると見れるようになります。アセットのサイズが視覚的にわかるので、そのアセットが内部的にどの程度容量をもっているのか視覚的にとてもわかりやすくなります。
ブループリントのグラフエディターでワイヤー操作がよりインタラクティブに
(リリースノートより引用)
これを見ればわかると思いますが、ワイヤーから直接操作が可能になります。今迄はピンを直接触らないとできなかった事がより楽な操作となるので、ブループリントの構築が今迄よりも捗るでしょう。
プロシージャルメッシュコンポーネント(実験的機能)
自分でメッシュの頂点や法線、UV情報などを設定し、プロシージャルにメッシュを生成する事が可能なコンポーネントです。非常に柔軟な設定が可能となっているので、プロシージャルメッシュだけでゲームを作る事も実質可能です。
オート コンベックス コリジョンの大幅改善
スタティックメッシュに自動生成で設定できるコリジョンである、オート コンベックス コリジョンのアルゴリズムが大幅に改善されました。
従来だとこのような複雑な螺旋階段形状は正しくコリジョンを生成できなかったのですが、十分実用レベルのコリジョンが自動生成できるようになっています。
ダウンロードコンテンツ&パッチサポート
4.7でもサポートされていましたが、4.8から正式にDLCがサポートされています。
プロジェクトランチャーからカスタムプロファイルを作成する事で設定ができます。が、この使い方はまだドキュメントもなく、私自身もよくわかっていません。正式なドキュメントが待たれるところです。
Paper2Dの大幅機能強化&改善
2DシステムであるPaper2Dが大幅にアップデートされています。以下機能リスト。
- スプライトテクスチャーに直接ペイントが出来る機能追加
- タイルマップ機能とそのエディターを実験的にリリース
- 複数テクスチャーをスプライトでも設定が可能に(例えばノーマルマップ用)
- 2Dレベル用のスナップレイヤーを追加
- テクスチャーからインタラクティブにスプライトを生成するダイアログ
- バッチ処理可能な複数スプライトのグループコンポーネント
これ以外にも多数の修正が入っています。
そのほか
ブループリントは修正が多すぎるので、以下のブログで修正をまとめてくれています。私もとても参考にさせてもらっています。
【UE4】Ver4.8の新機能を使ってみる(Blueprint編 1)|非現実的な話
【UE4】Ver4.8の新機能を使ってみる(Blueprint編 2)|非現実的な話
【UE4】Ver4.8の新機能を使ってみる(Blueprint編 3)|非現実的な話
【UE4】Ver4.8の新機能を使ってみる(Blueprint編 4)|非現実的な話
現在4つ公開されていますが、まだまだ続くそうです。とりあえず気になる方は追ってみましょう。
他、プラグインが多数追加されています。
デフォルトではオフになっていますが、プラグインを作るためのプラグインが入りました。これを使うとウィザードに従いながらプラグインを作る事ができるようです。
更にマーケットプレースからプラグインを購入し、そのままインストールすることが可能となりました。
プラグインは購入してダウンロードすると自動でそのエンジンバージョンに追加されるようで、プロジェクトごとに導入する必要はなさそうです。これは便利。もちろん不要な場合はオフ可能。#UE4 pic.twitter.com/wkzCXjhqn5
— alwei (@aizen76) 2015, 6月 12
他にも地味ながら有用な追加・修正がありますがいくつか過去に紹介したものもあるので、最後にまとめておきます。
本当にまだまだいろいろとありますが、全部追うのは私も厳しいので、あとは誰かフォロー頼みます…