Let's Enjoy Unreal Engine

Unreal Engineを使って遊んでみましょう

GDC2016 Epic Games オープニングセッションまとめ

昨晩深夜1時30分から1時間ほど、GDC2016でのEpic Gamesのオープニングセッションがありました。
ここでは基調講演としてEpic GamesのCEOであるTim Sweeneyさんが登壇されました。
リアルタイムで情報を追っていましたが、軽く内容について触れていきたいと思います。
なお、内容のアーカイブについては公式Twitchから改めてみることが可能です。
www.twitch.tv

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これまでの1年を振り替える

最初はUE4のこれまでを振り替えってです。
去年の無料公開後からも様々なデモを公開し、凄い勢いでユーザーが増えました。
日本からはドラゴンクエスト11やファイナルファンタジー7リメイクなど、多くのゲームがUE4で作られていることが発表されて、更に注目度が上がりました。

www.youtube.com

更にモバイルやVRなどにも積極的に対応し、今後もそれらを積極的にサポートする姿勢のようです。
現在開発中で3月18日よりアーリーアクセスが開始されるEpic Gamesの新作"Paragon"についても積極的に技術公開されるようでこれについては別途解説をしてみたいと思っています。

VRエディターが利用可能に!

今回の発表でUE4のVRエディターのOculus Rift CV1とOculus Touchのデモが初公開されました。
過去に公開されたものはHTC Vive製だったので、今回初となります。

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移動もピンチインアウトの容量で簡単にできることがわかります。
これまでVR空間に移動については色々と議論されてきましたが、ハンドデバイスによる直感的な移動が可能となりそうです。

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更に今回わかったことがブループリントやマテリアルエディターといったノードベースのエディターもしっかりとVRエディターで操作できることが判明しました。
VR空間では単純なことしか行えないんじゃないかという疑問があったのがここでかなり晴れたことになります。
コンテンツブラウザーやそれ以外のパネルも自由に出し入れが可能です。

更にこのあと、VRエディターが既に利用可能ということが判明しました!
実際に利用するにはGitHubのUE4リポジトリーから"dev-vr-editor"ブランチというところからダウンロードしてビルドする必要があります。
以下のリンクにUE4のアカウントとGitHubアカウントに紐付けてアクセスすればダウンロード可能です。

https://github.com/EpicGames/UnrealEngine/tree/dev-vr-editor

現状ではHTC Viveが極一部の人の手元にあるだけで、ほとんどの人は実行すらできませんが、可能な方がいればぜひビルドして利用してみてください。
なおビルドせずに使えるバイナリー版は6月に配布されるようです。

リアルタイムフェイシャル&モーションキャプチャー

UE4で開発されているNInja Theory社のHellbladeというゲームにて、Epic Gamesが直接協力をしてリアルタイム映像と連動して動く、リアルタイムフェイシャル&モーションキャプチャーの技術が公開されました。
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この映像、通常のトレイラーのように始まった後に最初は何かおかしいなと思いながらも見ていたら、横に演者となるアクターさんがいました。

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その表情や動きがそのままキャプチャーされて映像に反映されています。この時の拍手の音はこのセッションの中でも一番大きかった気がします。
最終的にはこの技術を広く使えるようにしたいとのことで、具体的な技術公開に期待されます。
またVR分野でも活用したいとのことで、これによりソーシャルVRの可能性も広がることに期待されます。

更に進化したシーケンサー

UE4には既にシーケンサーと呼ばれるシネマティックツールがありますが、これが更に進化しています。
UE4.11で実験的ながらも本格的に利用可能となりますが、今回公開されたバージョンはかなり違いが見られます。

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GitHubのUE4リポジトリーからmasterブランチをダウンロードすると既に一部がこのバージョンに近いものになっています。

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更に使いやすくUIが変更されており、フォルダー機能が追加されていたり新しいトラックも追加されています。
4.11版では若干わかりにくかったオーディオトラックの追加も直感的になっています。※現状の4.11版はオーディオトラック自体が追加不可状態
このブログでも簡単なシーケンサーの機能を解説しましたが、かなり変更が多いので再度改めて解説をするかもしれません。

何はともあれ、Aftter Effectsなどのツールを使っている映像業界の人であればかなり使いやすいはずでしょう。
個人的に使っていますが、現状のマチネよりも遥かにわかりやすく使いやすいです。
このバージョンのシーケンサーが使えるようになれば恐らくもっとやりやすくなるはずです。

ノンゲームで広がるUE4の利用

ここからはノンゲームでのUE4の活用事例です。

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マクラーレン・オートモーティブというイギリスの自動車メーカーと連携し、スポーツカー"S570S"をUE4上で再現したリアルタイム映像です。
もちろん単なる映像に留まらず、今後はVR空間上での車の運転が可能となるはずです。それだけでワクワクする人も多いはずです。

この後も様々な映像やエンターテイメントでの活用事例が公開されましたが、ラストにスターウォーズで有名なルーカスフィルムのCTO自らが登場し、実際にスターウォーズのVRゲームを制作していることを明かしました。

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ルーカスフィルムはILMXxLABというテクノロジー部門があるらしく、そのスタジオが本腰を入れて開発しているタイトルです。
映像業界からの本気の殴り込みです。これは期待できます。男の子はみんなライトセーバーを振り回したいはずです。

感想

今回の発表では新機能や何か新しいモノがでるといったものではありませんでした。
少々肩透かしはありましたが、それでもUE4の可能性を沢山感じることができました。
現在、UE4は本当に様々なところで使われています。自分もその可能性に少しでも貢献できたらと活動しております。
何かUE4に関するご相談などあればいつでもお声をおかけください。

最後にGDC2016でのUE4 Features Trailerの動画を載せておきます。

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