シーケンサーには様々なトラックと呼ばれるキー情報を付加することのできる領域を追加することができます。
このトラックは複数の種類があり、トラックを使い分けることにより様々な制御が可能になります。今回はそれぞれのトラックについての使い方を解説していきます。
基本的なシーケンサーの使い方は前回までの記事を参考にしてください。
UE4 シーケンサーを使ってみよう 基本編 - Let's Enjoy Unreal Engine
UE4 シーケンサーを使ってみよう 操作編 - Let's Enjoy Unreal Engine
アクタートラック
アクタートラックは前回までにやった内容で、既に配置されているアクターをなんでも追加することが可能です。例えばスケルタルメッシュアクターを配置すると、アニメーションの指定が可能となります。
ブループリント化したアクターも自身が持つコンポーネントのトラックを追加してあげれば、自身が持つプロパティのほとんどにアクセスすることが可能です。これはマチネの時よりも柔軟にパラメーターの調整を行なうことが可能となっています。
ショットトラック
ショットトラックはカメラの切り替えを行なうためのトラックです。カメラをレベルに配置してから、ショットトラックを追加後に"+ Shot"ボタンからカメラアクターをショットトラックに追加します。
カメラを複数追加すると、カメラアクターが自動的にアクタートラックとして追加されます。それとは別にショットトラックはどのカメラが現在アクティブになっているかを示す状態へと切り替わります。
ショットトラックにカメラのビューポートが表示されますので、それに合わせて使用したいカメラの長さをカメラの間ごとに黒い部分をドラッグすることにより長さを調整できます。
また、カメラの切り替えを確認する際にはショットトラックの"+ Shot"ボタン横のカメラアイコンをクリックしておきましょう。この状態で再生するとカメラが切り替わって再生されます。
オーディオトラック
オーディオトラックはその名前の通り音の情報を追加します。
追加の方法は少々特殊で、オーディオトラックを追加後にコンテンツブラウザからサウンドウェーブやサウンドキューのアセットをドラッグ&ドロップします。
これでシークバーの位置からサウンドが追加されて実際に音が再生されるようになります。追加後にトラック内のサウンドをドラッグすることにより、再生位置を自由に変更することが可能です。
このドラッグ&ドロップ操作もUE4.12のシーケンサーでは直接トラック上からクリックでサウンドが追加されるように改善されていますので、この操作はUE4.11限定となります。
イベントトラック
イベントトラックはイベントを追加するためのトラックです。イベントはレベルブループリント上で受け取ることが可能です。
まずは他のトラックと同様にイベントを発生させたいタイミングでキーを追加しておきます。
更に"General Options"ボタンというところを選択し、"Details View"を選択します。
これでシーケンサー右側に新しい表示が出現します。
イベントトラックを選択したたまま、"Events"という項目の中を開き、キーの数だけ"TIme"と"Value"が並びます。ここで、"Value"に自由なイベント名をつけておきます。
次にレベルブループリントを開き、"Value"につけた名前と同様の名前のカスタムイベントを作成します。その後のロジックは自由に作成しておきます。
あとはゲーム中にシーケンサーを再生させるだけです。シーケンサーの内部プロパティの"Playback"カテゴリーの"Auto Play"にチェックをつけておけば自動的に再生されます。
これで無事イベントトラックのイベントが受信できたはずです。
フェードトラック
フェードトラックは簡単なフェードイン、フェードアウトを処理するためのトラックです。キーを入力し、"0"から"1"の間で値を入力するとフェードインアウトが処理されます。"1"に設定すると画面が真っ暗になります。
プレイレートトラック
プレイレートトラックはシーケンサー再生中の再生レートを指定することができます。通常の再生レートが"1"となっており、"2"というキーを打つと倍速、"0.5"というキーを打つと半分の速度で再生されることになります。
"0"と打ってしまうと完全に再生が停止してしまい、強制的にイベントを発生させるかしないと全く動かなくなってしまうので注意してください。
サブトラック
サブトラックはシーケンサー再生中に別のシーケンサーを同時に再生させることが可能です。サブトラックを追加後、コンテンツブラウザにある、別のシーケンサーアセットを編集中のシーケンサーのサブトラック内へドラッグ&ドロップします。
これで複数のシーケンサーを同時に再生することが可能です。このサブトラックは複数人でシーケンサー内の作業を分割させたいという時に非常に便利です。覚えておくと大きい規模で開発している時には必ず役立つでしょう。
もっとシーケンサーを使ってみよう
ここまでシーケンサーの簡単な使い方を説明してきました。
もちろんシーケンサーにはまだまだ様々な使い方がありますが、ここまでの使い方だけでもかなりのことができるようになるでしょう。また機会があればシーケンサーの解説を行っていきたいと思います。